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Publication

2024

Hotta K, Shimotsu R, Behnke BJ, Masamoto K, Yagishita K, Poole DC, Kano Y. Effect of Diabetes on Microvascular Morphology and Permeability of Rat Skeletal Muscle: In Vivo Imaging Using Two-Photon Laser Scanning Microscopy. J Appl Physiol (1985). 2024 Aug 15. doi: 10.1152/japplphysiol.00222.2024. Epub ahead of print. PMID: 39143906.
骨格筋毛細血管は連続型に分類され、本来物質が簡単に漏出することはありません。しかしながら、Hotta, et al. J Appl Physiol 2018 では運動誘発性筋損傷は骨格筋毛細血管における血管透過性の亢進を認めた。本研究ではストレプトゾシン誘発性の1型糖尿病モデルラットを対象に、筋損傷のない正常な骨格筋の血管透過性を2光子レーザー操作型顕微鏡 Two-photon laser scanning microscopy を用いてリアルタイムで検証しました。その結果、筋損傷はないものの、血管透過性の亢進を認めました。また、透過型電子顕微鏡を用いて内皮細胞の超微細構造を観察した結果、内皮細胞の肥厚、細胞間隙の数の増加、細胞内小胞のサイズの増加などが観察された。これらの糖尿病に伴う内皮細胞の形態変化は、血管透過性の一因かもしれない。また、より萎縮している筋ほど、血管透過性が高いことも明らかとなりました。

Taketa Y, Tamakoshi K, Hotta K, Maki S, Taguchi T, Takahashi H. Lymphatic Capillarization in Different Fiber Types of Rat Skeletal Muscles With Growth and Age. Microcirculation. 2024 Jul 27:e12879. doi: 10.1111/micc.12879. PMID: 39073171.

​骨格筋内の毛細リンパ管の分布、および加齢の影響についてはよく知られていませんでした.本研究では異なる月齢のラットの骨格筋を対象に、免疫組織化学染色を用いて 毛細血管と毛細リンパ管、および骨格筋細胞の局在を明らかにし、筋線維数に対する毛細血管およびリンパ管の数の比を検証しました.加齢と共に速筋のリンパ管数は減少し、これは加齢による筋萎縮と関連している可能性が示されました.本研究は,新潟医療福祉大学のD4 武田さんと,高橋英明先生との共同研究となります.

Eazer J, Barsoum M, Smith C, Hotta K, Behnke B, Holmes C, Caldwell J, Ghosh P, Reid-Foley E, Park H, Delp M, Muller-Delp J. Adaptations of bone and bone vasculature to muscular stretch training. JBMR Plus. 2024 Jan 4;8(3):ziad019. doi: 10.1093/jbmrpl/ziad019. PMID: 38741608.

フロリダ州立大学医学部の Delp教授らとの共同研究として、老齢ラットに対するストレッチが骨の微小血管機能および血流に関する研究が、JBMR Plusに掲載されました。本研究は、ラット後肢足関節を最大背屈位で固定することで他動的ストレッチングを実施し、その後放射性微粒子を用いた後肢脛骨の血流を、また脛骨への栄養血管を摘出し、血管機能の計測を実施しました。本研究は、ストレッチングの慢性効果として骨血流および血管収縮・弛緩能の改善が認められ、さらに骨と血管容積の増加を認めました。本研究は加齢の影響を受けた骨に対するストレッチングの効果として、初めての報告となりました。

Takamizawa R, Hotta K, Fujii Y, Ikegami R, Hitosugi N, Inoue T, Tamiya H, Tsubaki A. Transcapillary PO2 Gradients in Contracting Muscles of Type I Diabetic Rats. Microcirculation. 2024 May 28:e12870. doi: 10.1111/micc.12870. Epub ahead of print. PMID: 38805591.

​1型糖尿病モデル動物の骨格筋における血中と間質の酸素勾配に関する論文です.血中から血管外の間質へと酸素が拡散するためには,酸素分圧の差(ΔPO2)が存在することが重要ですが,糖尿病の骨格筋ではΔPO2が拡大していることが明らかとなりました.

堀田一樹.内部疾患患者の理学療法における橋渡し研究と臨床展開の課題 .理学療法 41(1) 31-39,2024

​内容 理学療法における橋渡し研究の発展は十分ではありません。本特集記事では、橋渡し研究の成果を臨床実践に融合させるための取り組みと課題について述べられています。

2023

Hitosugi N, Hotta K, Taketa Y, Takamizawa R, Fujii Y, Ikegami R, Tamiya H, Inoue T, Tsubaki A. The effect of sepsis and reactive oxygen species on skeletal muscle interstitial oxygen pressure during contractions. Microcirculation. 2023 Oct 6:e12833. doi: 10.1111/micc.12833. Epub ahead of print. PMID: 37800537.

筆頭著者 ​新潟医療福祉大学大学院 一杉直樹

​内容 盲腸結紮穿孔術による敗血症モデルラットを作成し、骨格筋収縮時の間質酸素分圧の動態をリン光クエンチング法を用いて計測した研究です。敗血症に伴い、毛細血管と筋細胞の間の筋間質領域の酸素分圧が低下することを示しました。本研究は敗血症に伴う筋機能障害の新たな側面を捉えていると思われます。また、興味深いことに血中へのアスコルビン酸(ビタミンC)投与が敗血症に伴う酸素需給バランスの障害を改善することを示しました。

 

2022

Hotta K, Muller-Delp J. Microvascular Adaptations to Muscle Stretch: Findings From Animals and the Elderly. Front Physiol. 2022 Jul 4;13:939459. doi: 10.3389/fphys.2022.939459. PMID: 35860661; PMCID: PMC9289226.

筆頭著者 北里大学 堀田一樹

​内容 加齢が骨格筋内の微小血管の構造や機能の障害を引き起こし、運動時の筋血流を低下させることはよく知られています。ストレッチングは筋の柔軟性の改善等の効果が知られていますが、近年骨格筋の微小循環に対する影響が報告されています。この短い総説は、フロリダ州立大学医学部教授 Dr. Judy Delpとの共著として、高齢者に対するストレッチングの効果をまとめました。動物実験とヒト対象の研究両方の知見を組み合わせ、現時点で考えられるストレッチングの効果発現メカニズムをまとめています。

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