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論文発表 横隔膜への酸素供給におけるNOの関与


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横隔膜は私たちの呼吸に関わる重要な筋肉で、胸と腹を分け隔てる膜上の構造をしています。北里大学 基礎理学療法研究室では、横隔膜のリアルタイムの酸素計測を実現しています。最近の動向としては、慢性疾患により横隔膜は骨格筋から血流を ”盗みはじめる” という現象も報告されており注目が集まっています。


堀田准教授が実施した横隔膜への酸素供給に関する論文が、Advances in Experimental Medicine and Biologyに受理されました。


Hotta K, Fukuzaki N, Kataoka R, Izawa K, Arai S, Kamiya K, Matsunaga A. The Role of Nitric Oxide in Regulating Microvascular Oxygen Pressure During Diaphragm Contraction in Rats. Advances in Experimental Medicine and Biology. 2025 (In Press)


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内容:横隔膜は哺乳類特有の、呼吸に重要な筋肉で、常に活動しています。筋肉が動くには酸素を使ったエネルギー(ATP)が必要です。この研究では、血管を広げる働きを持つ物質「一酸化窒素(NO)」が、収縮中の横隔膜への酸素供給にどう関わっているかを調べました。麻酔下の正常ラットを対象に、人工呼吸を行いながら横隔膜を電気刺激で動かしました。このとき、微小血管内の酸素分圧(PO₂mv)をリン光クエンチング法を用いてリアルタイムに測定しました。測定は、一酸化窒素合成酵素(eNOS)を阻害する薬(L-NAME)を投与する前後で行い、酸素分圧の変化を比較しました。横隔膜の筋収縮中、PO₂mvは低下しました。eNOSを阻害すると、酸素分圧がより早く、より低く下がる傾向が見られました。通常はNOが血管を広げ、酸素供給を助けていますが、それが妨げられると、酸素の供給が遅れ、少なくなる可能性があります。NOは横隔膜の酸素供給において重要な役割を果たしています。



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